研究課題/領域番号 |
19K07227
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研究機関 | 北海道科学大学 |
研究代表者 |
千葉 健史 北海道科学大学, 薬学部, 講師 (80552926)
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研究分担者 |
前田 智司 日本薬科大学, 薬学部, 教授 (60303294)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ヒト母乳 / ノルアドレナリン / 定量分析 / HPLC |
研究実績の概要 |
昨年までの研究実績において、我々は動物モデルを用いて、授乳期のストレス負荷がマウス母乳中のノルアドレナリン(NA)濃度を上昇させること明らかにした。しかしながら、NAが、ヒト母乳中にどのぐらいの濃度で存在するのかは明らかにされていない。今年度は、岩手医科大学附属病院で出産した健康授乳婦から母乳を採取するとともに、その母乳中に含まれるNA濃度の測定方法の確立、および測定を行った。母乳からのNAの抽出には、固相抽出カラムの一つであるMonospin PBA columnを用いた。また、NA濃度の測定には、電気化学的検出器を附属した高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた。移動相には、1 mMの1-オクタンスルホン酸ナトリウムを含有する20 mMリン酸緩衝液(pH2.5)とメタノール混液(85:15)を用いた。さらに、分析カラムには、COSMOSIL PBr columnを、内部標準物質にはパラオキシ安息香酸メチルを用いた。 今回用いた抽出方法におけるヒト母乳からのNA回収率は、95%以上であった。定量分析に用いたHPLCにおけるNAの定量限界(ratio of signal to noise (S/N)=5)は、1 ng/ml(約0.5 nM)であった。一方、8名の健康授乳婦から本研究への参加同意が得られ、その内、出産経験が2回以上ある女性は5名、初産の女性が3名であった。また、各授乳婦における母乳採取時の授乳期間は、6日目が4名、180日目が1名、270日目が1名、213日目が1名、720日目が1名であった。これらの授乳婦から得られた母乳を用いてNA濃度を測定したところ、その濃度は12.7-115.5 nMの範囲であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の計画では、ヒト母乳中のノルアドレナリン(NA)濃度の定量方法を確立し、かつNAがどのぐらいの濃度でヒト母乳中に存在しているのかを把握することを目標としており、これの目標はおおむね達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ノルアドレナリン(NA)を合成するいくつかの組織・細胞は、NAトランスポーターを発現していることが分かっている。すなわち、乳腺上皮細胞にもNAトランスポーターが発現している可能性が高いと考えられるが、ヒトを含めた全動物種において、乳腺上皮細胞におけるNAトランスポーターの発現に関する報告はない。2021年度は、ヒト乳腺上皮細胞におけるNAトランスポーターの発現の有無や、その機能特性について評価を行う予定である。
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