研究課題/領域番号 |
19K07238
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
今任 拓也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 社会と健康研究センター, 主任研究員 (20368989)
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研究分担者 |
馬場園 明 九州大学, 医学研究院, 教授 (90228685)
中島 直樹 九州大学, 大学病院, 教授 (60325529)
西 巧 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 主任技師 (20760739)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 薬剤疫学 / 高齢者 / レセプト / 糖尿病治療薬 |
研究実績の概要 |
今年度は、平成23年度から平成28年度までの福岡県下の後期高齢者で糖尿病患者の医科・調剤およびDPCレセプトデータを用い、まず、研究デザインなどについて、検討を行った。その結果、糖尿病治療薬配合剤のなかで最も処方数の多かったエクメットに着目し、症例群を平成24年以降にエクメットが処方されていた者(配合剤群)8577名、対照群をメトホルミンとビルダグリプチンの処方がされていた者(単剤併用群)とした。配合剤群は、単剤併用から切り替えた者も含むこととした。また、単剤併用群は、メトホルミンとシタグリプチンの処方期間が重なっている者とした。 まず、服薬アドヒアランスの指標として、Medication possession ratio(MPR)およびProportion of days covered(PDC)を用いた。起点日は、配合剤処方開始(単剤併用群の場合は併用を始めた時点から)とした。その結果、MPRおよびPDCにおいて配合剤群と単剤併用群とに大きな違いは認められなかった。次に予後について検討するため、アウトカムを処方開始以降の低血糖、心疾患・脳血管疾患による入院として、比較したところ、これら副作用および疾患による入院は配合剤群の方が少ない可能性が示唆された。この理由として、処方の中断が単剤併用群に比べると、配合剤群で少ないことが寄与している可能性が考えられた。今後は、単剤併用群を新規処方者(処方開始から6ヶ月前に糖尿病薬の処方が無い者)に限定するなどのさらなる検討が必要であると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りに配合剤処方群と単剤併用群の服薬アドヒアランスの算出と予後について検討を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は比較的計画通りに実施することができた。次年度は、更にデータ数を増やし、特に医療費など、医療経済学的な検討を計画通りに実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は、これまでに蓄積されていたレセプトデータを使用し、解析用プログラムの作成に注力したため、次年度使用額が生じることとなった。次年度は、さらにレセプトデータを追加する予定であるため、保存用の記憶媒体や解析に必要な機材の購入を予定している。
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