中腎管(将来の精巣上体、精管、精嚢、精管膨大部腺)と中腎傍管(将来の卵管、子宮、膣)は胎生期に雌雄同様に形成され、雄では中腎管が分化して中腎傍管が消失し、雌では中腎傍管が分化して中腎管が消失する。我々は中腎傍管で特異的にCxxc5を欠損させた雄マウスが不妊になることを発見した。本研究は、雄性不妊が将来消えゆくはずの雌性生殖管の発生異常によりもたらされる機構の解明を目的とした。中腎傍管特異的Cxxc5欠損雄マウスは、胎生期に中腎傍管が伸長停止し高い位置で先端部が残存することが発端となり、精管から精嚢と精管膨大部腺が分岐する部位の構造が異常になり、精子が迂回し質が低下して不妊になると考えられた。
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