研究成果の概要 |
転写メディエーター複合体はRNA ポリメラーゼII (Pol II)を仲介する転写制御を行う超分子複合体である. 転写メディエーター複合体は4つのモジュール、25以上のサブユニットから構成される. そのうち4つのサブユニットから構成されるCDKモジュールは, キナーゼドメインを介してリン酸化による転写活性化, 他タンパク質との相互作用による抑制によりメディエーター機能のON/OFFを行う. 本研究では超分子複合体調製技術の開発, クライオ電子顕微鏡単粒子解析によるCDKモジュールの構造解析を行い, そのリン酸化機能の一端を明らかとした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超分子複合体は転写におけるPol II, 翻訳における Ribosome, スプライシングにおけるスプライソソームのように, 生命活動の重要な役割を担う. 組換えタンパク質発現系を用いた超分子複合体の調製方法は, それらの研究には必須であり, 本研究により開発された方法を適用可能である. CDKモジュールはPol II転写制御の重要因子であり, その分子メカニズムの解明はメディエーター機能の不全を原因とする疾患研究の土台となる.
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