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2020 年度 実施状況報告書

歯形成における細胞動態と歯上皮幹細胞の維持分化を司る制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07253
研究機関自治医科大学

研究代表者

高橋 将文  自治医科大学, 医学部, 准教授 (20361074)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード歯の形成 / 下顎切歯 / 上顎切歯 / Six1 / Six4 / Six2
研究実績の概要

本研究では、歯の上皮間葉相互作用における細胞動態や歯上皮幹細胞維持・分化の制御機構の解明を目的とする。2020年度はSIXファミリー転写因子遺伝子欠損マウスと野生型マウスとの表現型の比較により、前年度に引き続き、1) 切歯形成を司るSIX1下流因子の同定、2) SIXファミリー転写因子による機能重複の検証、を進めた。
1) Six1/Six4 二重変異ホモ胚および野生型胚から下顎原基切歯形成領域を胎齢(E) 11.25および11.5日の段階で切り取り、RNAを抽出した。RNAseq解析のために、品質チェックを行った後、RNA シークエンシングを行った。現在、Six1/Six4二重変異マウスで変動する遺伝子を解析している。

2) Six1/Six4二重変異マウス胚は、下顎切歯の形成異常が見られるが、上顎切歯の形成はほぼ正常である(Takahashi et al., 2020)。上顎切歯形成領域にはSix2が発現し、下顎切歯形成領域には発現しないことから、Six2が上顎切歯形成に関わるという仮説を立てた。前年度作製済みのSix2変異マウスとSix1/Six4ニ重変異マウスを交配し、Six1/Six4/Six2 変異三重ヘテロマウスを得た。最初に、これら雌マウスとSix1/Six4二重変異ヘテロ雄マウスを交配し、上顎切歯形成におけるSix2ヘテロ変異の影響を検討した。E12.5日のSix1-/-Six4-/-Six2+/- マウス胚では、少なくとも、上顎切歯はSix1/Six4二重変異マウスと同様に形成されていたことから、Six2のヘテロ変異は、上顎切歯形成に影響を与えないと考えられた。現在、Six1/Six4/Six2 変異三重ヘテロマウス同士の交配を試み、Six1/Six4/Six2三重変異ホモマウス胚における切歯形成の変化を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新講座移行に伴うマウス動物飼育室の改修工事により、一時的に動物実験の中断が必要であり、該当変異動物の再個体化に時間を要したため、多重変異体の解析に遅れが生じた。しかしながら、RNAシークエンスが終了し、変異体解析も進行していることから、今後、Six遺伝子による新たな発生制御機構を明らかにできると考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、RNAシークエンスの結果を解析し、変動している遺伝子の発現領域等を特定する。また、多重変異体の解析は、組織学的解析に加え、マイクロCTなどの非侵襲的方法を併用することで、表現型を明確にする。

次年度使用額が生じた理由

RNAシークエンスを当初予定していた外注ではなく、他大学との共同研究で行ったため、残額が生じた。残額は、翌年度に必要な多重変異マウスの組織学的解析に必要な試薬等の物品費に使用予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Six1 is required for signaling center formation and labial-lingual asymmetry in developing lower incisors.2020

    • 著者名/発表者名
      Takahashi,M., Ikeda, K., Ohmuraya, M., Nakagawa, Y., Sakuma, T., Yamamoto, T., and Kawakami, K.
    • 雑誌名

      Dev.Dyn.

      巻: 249 ページ: 1098-1116

    • DOI

      10.1002/dvdy.174

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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