物質交換が盛んな内分泌器官や小腸などの組織には、血管壁に窓が開口する有窓型毛細血管が分布している。ホルモンや栄養素などの移動路として機能する窓は直径約70 nm程度のトンネル構造であり、集まることで篩板を形成している。 本研究課題では、はじめにラット下垂体前葉の有窓型内皮細胞新規培養法を確立した。次に、フィブロネクチンがインテグリンα5β1を介して微小管を制御し、窓を覆う隔膜の構成タンパク質PLVAPの細胞内輸送を調節していることを明らかにした。さらに、アクチン系に着目した研究を展開することで、ダイナミンとアクチンが協調的に機能し、窓の形成を抑制的に調節していることを見出した。
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