研究課題/領域番号 |
19K07258
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
岡部 正隆 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10300716)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 副甲状腺 / Gcm2 / ATAC-seq / RNA-seq / パイオニアファクター |
研究成果の概要 |
本研究を通じて、種間のGcm2の比較の結果から、マウスGcm2はゼブラフィッシュと異なる転写活性を示すことを明らかにし、また、種間の転写活性化能の違いはGcm2のTADに依存していることを明らかにした。Trans-Activating Domain(TAD)領域に見られる構造の違いが転写活性化能の違いを生み、さらにその違いが異なる下流遺伝子の発現を促すことで、発生する形態の違いをもたらす可能性が考えられた。またATAC-seq、RNA-seqの結果から、Gcm2がパイオニアファクターである可能性が強く示唆され、Gcm2の新たな機能を明らかにすることができた。
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自由記述の分野 |
進化発生学、機能形態学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水中から陸への進化は自然淘汰圧により急速に行われた可能性があり、変異の蓄積による長い時間をかけた変化だけでは説明できない、より短期的かつ大きな変化の存在が必要であると推察していた。本研究では鰓と副甲状腺の発生起源である咽頭嚢でその両者の発生に重要な役割を果たすGCM2を用いて、どのような変化が進化を勧めたのかを検証した。本研究の結果は転写因子そのものの活性が種間で大きく変化していること、またGCM2が非常に多くの遺伝子発現調節に関わっていることを明らかにし、1つの転写因子の変化がかなり大規模にクロマチンの構造を含め変化させる力を持つことが示され、生物進化の新たな可能性を示した。
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