研究課題
基盤研究(C)
ホスファチジルセリン(PS)は主要な負電荷リン脂質であり、細胞表面膜では細胞質側リーフレットに豊富で、外層に少ない非対称性に分布する。細胞膜タンパク質TMEM16FはCa2+により活性化され、細胞質側PSを外層に輸送することが報告されている。我々は急速凍結・凍結割断レプリカ標識法を用いて、MEF細胞の小胞体膜ではPSは細胞質側リーフレットに豊富な非対称性分布であり、細胞質Ca2+濃度上昇により、小胞体膜タンパク質TMEM16K依存的に内腔側リーフレットに輸送されることを見出した。
細胞生物学
細胞膜スクランブラーゼTMEM16F/ANO6は細胞内カルシウム濃度の上昇により活性化し、細胞質側のPSを細胞外側に輸送する。細胞内にもTMEM16ファミリー分子が存在し、全身性に発現するTMEM16K/ANO10は脊髄小脳変性症の原因遺伝子である。本研究で得られた成果は基礎生物学分野のみならず、医学的にも重要性が高いと言える。