研究課題/領域番号 |
19K07271
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
易 勤 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (70334753)
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研究分担者 |
佐々木 啓 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (20384969)
任 可 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (60837863)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腸内細菌叢 / 糞移植 / スンクス / 腸間膜脂肪 / 肥満 |
研究実績の概要 |
本研究は天然やせ型実験動物,スンクスの腸内細菌叢の特性を解析するため,スンクスと肥満マウスの間に腸内細菌叢(糞)の移植実験を行うことによって,スンクスの腸内フローラとその抗肥満・抗腸間膜脂肪蓄積との関連性を解明する。2020年度は2019年度の予備実験の上,本実験を実施した。ドナー動物オス成獣スンクス(n=12)をランダム2グループ分け,ドナー移植群(n=6)動物の大腸から糞を採集した。レシピエント動物オスC57BL/6Jマウス(n=18)をランダムで3グループ分け,移植受ける群(n=6)は複数抗生剤3日間投与による腸内細菌叢の殺菌処理後,それぞれドナーからの経口腸内細菌叢(糞から精製)移植を行った。Sham対照群(n=6)は抗生剤の処理だけを行い,移植実験が受けられなかった。移植実験3週間後,ドナーの未移植群を含め,レシピエント各実験群の大腸あるいは盲腸から内容物を採集し,腸内細菌叢のDNAを抽出して,バイオ関連会社に委託して,データの解析を依頼した。現在はデータの解析,まとめの最中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度の研究の進捗状況は概ね計画の通りで進んでおり,2021年度の1期目に,今まで収集したサンプルの解析が終了する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度から,2020年度の実験の逆方向の移植実験を実施する予定である。即ち,ドナー動物はC57BL/6Jマウス,レシピエント動物はスンクスになる糞移植実験を行う。しかも,マウスに高脂肪食を与え,肥満状態マウスの腸内細菌叢を天然腸間膜脂肪蓄積しないスンクスに移植することによって,スンクスの体重,脂肪分布の変化および腸内細菌叢の再配置の変化を探求したい。以上の相互移植実験によって,スンクスの腸内細菌叢の特性,機能などについて解析したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
腸内細菌叢のDNA解析にあたり、委託解析先の解析仕上げは3月下旬までになってしまい、かつ、決算の費用は見積書の金額より更に安くしてもらったため、用意した研究費が余ったことになった。本研究課題は2021年度にも続ける予定なので、引き続き2021年度の研究費と共に、研究用試薬や消耗品を購入する予定である。
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