Ripply3は発生過程で咽頭弓の内胚葉と外胚葉に発現し、咽頭弓分節や胸腺形成への関与が示唆される遺伝子である。Ripply3がもつ進化的に保存されたアミノ酸配列WRPWとFPVQに注目し、各配列に変異を導入したマウスを解析した。その結果、WRPW変異マウス、FRVQ変異マウスともに胸腺の形成不全を呈したが、咽頭嚢からの胸腺の分離や移動の程度に顕著な差がみられた。内胚葉特異的なRipply3欠損マウスでは、欠損する時期により胸腺の形成不全の出現頻度が変化した。即ちRipply3のWRPWとFPVQ配列は胸腺形成に必須であり、また咽頭弓内胚葉での発現時期も胸腺形成に重要であることが示唆された。
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