糖尿病患者は心房細動や洞不全などの不整脈の発症率が高く、糖尿病患者の死亡率を著しく増加させている。我々は洞房結節細胞のCa制御異常が糖尿病患者の洞機能不全に関与するとの仮説をえた。本研究では、高グルコース(HG)刺激で洞房結節由来の不整脈が誘導されるか、またそのメカニズムにおけるLCR制御破綻の関与を明らかにすることを目的とした。HG刺激は、単離マウス洞房結節細胞の収縮間隔およびランゲンドルフ灌流心のR-R間隔の変動を増大させた。HGはまた、単離洞房結節細胞のROSレベルおよび筋小胞体からのCa放出を増加させた。これらの機序により糖尿病における高血糖が洞不全に関与すると考えられた。
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