げっ歯類は侵害的な視覚刺激に対して、上丘パルブアルブミン陽性(PV)ニューロンによりトリガーされる逃避またはフリージングという恐怖反応を示す。本研究では、逃避かフリージングかのパターン選択に対する感覚経験の影響とその神経基盤の解明を目指した。これまで恐怖反応はげっ歯類の生得的な反応であると考えられていたが、本研究により、発達期の視覚経験により逃避反応が獲得され、視覚遮断によりパターン選択が変化することが明らかとなった。また光遺伝学的手法により、上丘PVニューロンが大脳皮質由来興奮性入力を受けることを示し、経験依存的なパターン選択の変化における大脳皮質由来入力の寄与の解明につながる成果を得た。
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