研究課題/領域番号 |
19K07296
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 喜郎 岩手医科大学, 医学部, 准教授 (40348503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TRPチャネル / 母子間カルシウム輸送 / 新生児副甲状腺機能亢進症 |
研究実績の概要 |
令和元年度は自然科学研究機構生理学研究所から岩手医科大学への移動に伴い、各種研究環境の整備を行った。まず岩手医科大学における遺伝子組換え実験計画書および人を対象とする研究計画書を作成・提出し、本研究計画に対する承認を得た。次に研究室の生化学・分子生物学研究の環境を整備した。サーマルサイクラーや電気泳動層を新規購入し、変異体作成が研究室で行えるようにした。同疾患の新規3家系について、該当変異を導入したコンストラクトを作成し塩基配列を確認した。またこれまでに作成した変異体について、そのストックを作成した。 細胞培養の環境整備のために細胞の購入、ストックの作成等を行った。ビオチン化実験によって変異体の細胞内局在の解析が可能となったため、今後、各変異体の局在をMDCKII細胞およびT84細胞などの極性を持つ細胞を用いて解析する予定である。またパッチクランプ法のセットアップを、岩手医科大学生理学講座病態生理学分野の佐原資謹教授のご協力の下、行った。その際、AD・DAコンバータを介して命令を送るPCの不具合により、コンバータ自体を入れ替えなければならないトラブルに見舞われたが、岩手医科大学生理学講座統合生理学分野の主任教授である中陦克己教授のご助力で新規購入することなく切り抜けることができた。 In vivo研究については来年度の生理学研究所・共同利用研究に採択していただいた。今後、本研究の申請書に記載の通りにTRPV6変異体KIマウスを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究室の引っ越しのため、各種環境整備を行う必要が生じた。またその際にPCのサポート終了やPC自体のトラブルがあり、解決するのに時間がかかってしまった。周りの研究者の強力なサポートのおかげで解決することができたが、今後、研究計画作成の際には気を付けたい。
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今後の研究の推進方策 |
今後は作成したTRPV6変異体の細胞内における局在を各種細胞内マーカー等を用いて明らかにする。また新規変異体についてもパッチクランプ法による解析とビオチン化実験(ウエスタン)を行うことによって同疾患の発症メカニズムの鍵となるような因子や条件を明らかにしてゆく。さらに同疾患由来の変異を導入したKIマウスをゲノム編集によって作成し、それらを掛け合わせることによって疾患を再現し、発症の有無を作用する因子(活性型ビタミンD等)をin vivoにおいて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度に予定されていた生理学研究所におけるKIマウス作成を令和2年度に行うことになったため。使用計画は当初の予定通り、同マウスの作成に使用する。
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