本研究では新生児期副甲状腺機能亢進症の遺伝的因子として同定された新規TRPV6変異を解析することによって発症メカニズムを推定することができた。具体的には変異体がゴルジ体へ進めず小胞体に留まっていることを細胞レベルで明らかにした。このことからTRPV6遺伝子変異によって小胞体ストレスが生じ、同疾患を発症することが示唆された。また環境因子の1つである母体ビタミンD3欠乏が本疾患発症の危険因子であるという状況証拠を得ることができた。さらに当該変異に相当する変異を導入したノックインマウスを作成した。今後、上記の仮説を組織・個体レベルで証明し発症メカニズムの全貌を解明したい。
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