研究課題
Cx43flox/floxマウスとα-myosin heavy chain (Myh6)-cre+/-マウスを交配することにより、心筋特異的Cx43欠損マウスを作製した。心筋特異的Cx43欠損マウスではミトコンドリア内膜においてCx43が発現しておらず、そのリッターメイトマウス(コントロールマウス)では発現していた。1) ミトコンドリア内カルシウムの測定: 両群マウス多細胞心室筋におけるミトコンドリア内カルシウムをrhod-2蛍光を用いて記録した。Cx43欠損マウスでは、コントロールマウスに比べて細胞外液0.2から6 mmol/Lにおいてrhod-2蛍光が有意に増加した(p<0.01)のに対し、発生張力には両群間に有意差を認めなかった。このことから、Cx43欠損マウスでは細胞質ないではなく、ミトコンドリア内カルシウムの増加が示唆された。Mitochondrial calcium uniporter(MCU)を介したミトコンドリアへのカルシウム取り込み阻害薬であるRu360の投与により、rhod-2蛍光は低下した。このことから、MCUを介したカルシウム流入の増加が、ミトコンドリア内カルシウム増加の一因であることが示唆された。2)ミトコンドリア内活性酸素(ROS)産生の測定: 両群マウス多細胞心室筋におけるミトコンドリア内ROS産生をMitoSoxRed蛍光を用いて記録した。MitoSoxRed蛍光はRu360の投与により低下し、10 mmol/L過酸化水素により上昇した。この過酸化酸素の投与により、静止張力が増加し、発生張力が低下した。MitoSoxRed蛍光の上昇の割合がCx43欠損マウスで小さかったことより、ROS産生はCx43欠損マウスにおいて増加していることが示唆された。
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Pflugers Arch
巻: 475 ページ: 477-488
10.1007/s00424-023-02789-w
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