腫瘍はがん細胞と間質細胞をはじめとした正常細胞の混在によって成り立っている。我々は新しい抗がん剤の創生を目的として、不均一ながん細胞の中で腫瘍の進展に重要とされているがん幹細胞に着目し、間質細胞との相互作用について解析を行った。その結果、がん幹細胞性の維持・増殖に寄与する候補因子としてcollagen VIを見出した。また、がん幹細胞の特性の1つであるスフェロイド形成について間質細胞との共培養を抑制する化合物を化合物ライブラリーや放線菌やカビなどの微生物代謝産物からスクリーニングを行い、間質細胞との共培養の時のみ、がん細胞のスフェロイド形成を抑制する化合物を見出した。
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