研究課題/領域番号 |
19K07313
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
山崎 大樹 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 室長 (40467428)
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研究分担者 |
山村 寿男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80398362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | TRICチャネル / カウンターイオンチャネル / 心機能 / コンディショナル |
研究実績の概要 |
タモキシフェン誘導型心臓特異的TRIC-B欠損マウスの作製後、タモキシフェン投与による心臓特異的TRIC-B欠損の条件検討を引き続き行った。胎生期(E12.5-E13.5、E14.5-E15.5、E17.5-E18.5の3条件)にタモキシフェン投与を行ったが、いずれの条件も出生後に死亡した。タモキシフェン投与については、胎生期での投与量を減らすことで出生後の死亡を避けることができるかどうかの検討を行うとともに、6週齢および9週齢に2回のタモキシフェン投与でTRIC-Bが欠損するかの確認を行う。 根本的な解決策として心臓特異的Creが常時発現しているマウスを導入し、解析を進めている。常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスは雌雄ともに正常に成育・繁殖を行うことができており、12週齢まで異常は観察されなかった。心臓特異的なTRIC-B欠損が心臓に対して異常をきたすのにかなりの時間を要する可能性があることから少なくとも1年間は経過観察を続ける予定である。また、早期に異常を検出するための手段として、大動脈狭窄モデルおよび浸透圧ポンプによるイソプロテレノール持続投与を現在行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タモキシフェン誘導型心臓特異的TRIC-B欠損マウスの作製後、タモキシフェン投与による心臓特異的TRIC-B欠損の条件検討を行ったが、胎生期へのタモキシフェン投与では出生後に死亡してしまい、心臓特異的なTRIC-B欠損が確認できなかったことが原因である。遅れを取り戻すべく、常時型心臓特異的Cre発現マウスを導入し、常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスを作製して早急に解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスにて、大動脈狭窄(TAC)モデルあるいは浸透圧ポンプによるイソプロテレノール(ISO)持続投与モデルにより心肥大や心線維化などの心臓機能の異常を見出す。同時に心電図計測なども行い、詳細な心機能の解析を行う。また、時間経過により誘発される異常の可能性も考えられるため、通常飼育によって経過観察を行う。 TACモデルやISO持続投与モデルにより異常が検出された場合には、より詳細な心機能の解析を行うため、心臓摘出を行いランゲンドルフ灌流による心収縮機能や単離心筋細胞によるカルシウムイメージング、電気セリ学的解析により心機能におけるTRIC-Bの意義の解明を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
タモキシフェンの投与条件が定まらなかったことから、消耗品やその他実験に使用する物品の購入をする必要がなかったために、使用額に差が生じた。
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