研究課題/領域番号 |
19K07313
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
山崎 大樹 国立医薬品食品衛生研究所, 薬理部, 室長 (40467428)
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研究分担者 |
山村 寿男 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(薬学), 教授 (80398362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | TRICチャネル / カウンターイオンチャネル / 心機能 / コンディショナル |
研究実績の概要 |
心臓特異的Creを常時発現しているマウスを導入し、解析を進めた。浸透圧ポンプ(Alzet)により高濃度イソプロテレノール(60 mg/kg/day)を2週間負荷した際、心肥大(心重量/体重)およびマッソントリクローム染色による心線維化の傾向が観察された。しかしながら、個体によるバラツキが大きく詳細な解析を行うには至っていない。 アントラサイクリン系抗ガン剤であるドキソルビシンはマウスへの腹腔内投与によって心収縮障害を引き起こすことが知られている。そこで、野生型および心臓特異的TRIC-B欠損マウスにドキソルビシンを投与した際に、両マウスに顕著な差が生じるかどうかを検討した。しかしながら、組織重量やマウスの生存等に差は見出すことが出来なかった。 また、長期間飼育した際、30週齢を超えたあたりから心臓特異的TRIC-B欠損マウスでのみ死亡するケースが散見された。雄マウスの場合には、30-60週齢にて死亡し個体間の差が大きい印象である。一方で雌マウスの場合には、30-40週齢にて死亡していた。引き続き、生存率を解析するとともに死亡する原因を究明するため、心臓、肝臓、肺等の組織学的解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスを作製して解析を進めているが、30週齢を超えてから死亡するという表現型を見出したところである。表現型の発現までに約半年を要することが進捗が遅れている原因である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスが30週齢を超えてから死亡する原因を組織学的解析に加えて、RNA-seqによる遺伝子網羅的発現解析や心電図解析、単離心筋細胞によるCaイメージング等により詳細に検討を行う予定である。また、大動脈狭窄(TAC)モデル等によっても顕著な表現型が現れないかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
常時型心臓特異的TRIC-B欠損マウスを作製して解析を進めているが、30週齢を超えてから死亡するという表現型を見出したところである。表現型の発現までに約半年を要したため、消耗品やその他の実験に使用する物品を購入する必要がなかったために、使用額に差が生じた。
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