心不全の発症と進展においても重要なリスクファクターである心臓線維化には、エピジェネティックな制御機構が寄与しているが、線維化治療に対する有用な創薬標的分子は同定されていない。本研究では、エピジェネティック制御因子であるアルギニンメチル化酵素PRMT5が線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化を促進する分子である可能性を見出した。PRMT5選択的阻害剤を、圧負荷応答性心不全マウスに経口投与し、組織学的解析とqPCRを行った。その結果、心臓線維化と線維化関連遺伝子の発現量は、PRMT5阻害剤により有意に減少した。さらに初代培養心臓線維芽細胞において、PRMT5阻害剤はヒストンのメチル化を抑制していた。
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