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2022 年度 実績報告書

遺伝コード拡張法を用いたアセチルコリン受容体の構造変化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K07334
研究機関大阪医科薬科大学

研究代表者

坂田 宗平  大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (40528006)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードアセチルコリン受容体 / ゼブラフィッシュ / 筋弛緩剤 / パンクロニウム
研究実績の概要

アセチルコリン受容体(nAChR)は五量体を形成しており、筋で発現しているnAChRは2つのαサブユニット、それからβ、δ、εサブユニットが1つずつで構成されているもの(εタイプ)と、2つのαサブユニットと、一つのβサブユニットと2つのδサブユニットで構成されているもの(δタイプ)が存在する。パンクロニウムは1960年代に合成された筋弛緩剤の一つであり、後の研究により、一般に筋弛緩剤はnAChRの細胞外部分のリガンド結合部位に拮抗的に作用するとされ、パンクロニウムも同様のメカニズムでnAChRに作用するものと考えられてきた。これまでの本研究により、εタイプとδタイプの2種類のnAChRは互いにパンクロニウムに対する感受性が異なり、εタイプの方がδタイプに比べて感受性が高いことが明らかになった。最終年度では、この感受性の相違を利用してパンクロニウムがnAChRのどの部分に結合するのか詳細に調べた。nAChRの構造はおおまかにリガンド結合部位が存在する細胞外部分、膜貫通部分、細胞内部分に分けられる。そこで細胞外部分がεサブユニットに由来しその他の部位がδタイプのもの、またその逆つまり、細胞外部分がδサブユニットに由来しその他がεサブユニットに由来するものを作成したところ、パンクロニウムの感受性に重要な部分は細胞外部分ではないことが明らかになった。この結果はパンクロニウムは細胞外部分のリガンド結合部位に拮抗的に作用するのではなく、nAChRのリガンド結合サイト以外の場所に結合して、nAChRの機能を修飾していることを示すものである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Receptor subunit compositions underly distinct potencies of a muscle relaxant in fast and slow muscle fibers2022

    • 著者名/発表者名
      Yamashita M, Egashira Y, Nakamura S, Sakata S, Ono F
    • 雑誌名

      Frontiers of Physiology

      巻: 13 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fphys.2022.1026646

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 電位依存性ナトリウムチャネルをノックアウトしたゼブラフィッシュの解析2023

    • 著者名/発表者名
      秋山(寺井)千史、小野富三人、坂田宗平
    • 学会等名
      第100回日本生理学会大会
  • [学会発表] Muscle contraction without the action potential in zebrafish larva2022

    • 著者名/発表者名
      Terai-Akiyama C, Ono F, Sakata S
    • 学会等名
      The 39th Congress of International Union of Physiological Sciences
    • 国際学会
  • [学会発表] 筋型電位依存性ナトリウムチャネル(Nav1.4)をノックアウトしたゼブラフィッシュの解析2022

    • 著者名/発表者名
      坂田宗平、秋山(寺井)千史、小野富三人
    • 学会等名
      第114回近畿生理談話会

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公開日: 2023-12-25  

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