アミノアシルtRNA酵素の一つであるシステイニルtRNA合成酵素(CARS)によって、ミトコンドリアにおいてシステインから合成されるイオウ代謝物が産生され、エネルギー代謝に関与することが示唆されている。応募者はこれらイオウ代謝に関連する酵素群の遺伝子改変マウスを作製したところ胎生致死や短命などの表現型を示すことを見出した。このことからイオウ代謝酵素群はエネルギー代謝を調整することで発生時から成体での恒常性維持まで重要な役割を担っていると示唆される。今回応募者はイオウ代謝関連酵素群のゲノム編集マウスおよび線虫を作製・解析し、イオウ代謝の生体内における機能を分子レベルでのメカニズムを明らかにした。
|