研究課題/領域番号 |
19K07347
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
南部 由希子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (70580380)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CD8ααT細胞 / 制御性T細胞 / 再分化 |
研究実績の概要 |
免疫システムは免疫反応を抑制する制御系とともに発展してきた。この免疫抑制機能の一部は制御性T細胞(CD4+FoxP3+)によって担われているが、免疫反応が正常に機能するためにはこれだけでは不十分であることが知られている。CD4T細胞やCD8T細胞は既に運命が決定していると考えられていたが、申請者は免疫反応の進行に伴ってCD4T細胞がCD8ααT細胞へ再分化する現象と、再分化したCD8ααT細胞が慢性化した炎症反応の収束に重要である事を発見した。本研究では、CD4T細胞由来のCD8ααT細胞の詳細な解析を行い、この細胞による免疫反応の制御機構を解明する。 (1) CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を可視化できるマウスを作製する CD4T細胞から再分化したCD8ααT細胞をトレースできるように、CD4T細胞だけを蛍光タンパク質でマーキングできるようなマウスを作製する。CD4T細胞だけをマーキングするには、複数の遺伝子座を改変する必要がある。個々の遺伝子座を改変したマウスを作製し、それらのマウスを交配することによって目的のマウスを得る。本年度は、必要な遺伝子組換えマウスを作製し、交配を行った。 (2) CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を特異的に除くことができるマウスを作製する 当初設計したターゲッティングコンストラクションが想定した挙動をしなかったため、再設計をし、新たなターゲッティングコンストラクションを作製した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1) CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を可視化できるマウスを作製する 生体内でCD4T細胞由来のCD8ααT細胞を可視化するためには、未分化な時期のT細胞 (CD4とCD8が共発現する)はマーキングされず、成熟したCD4T細胞のみがマーキングされる必要がある。そのためには、複数の遺伝子座が改変されたマウスが必要になる。複数の遺伝子座の改変を同時に行うことができないため、それぞれの遺伝子組換えマウスを作製している。細胞を可視化するために必要な蛍光タンパク質を発現するマウスは既に所持している。その他の遺伝子組換えマウスで生体ができたものに関して、順次交配を進めているところである。 (2) CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を特異的に除くことができるマウスを作製する CD8ααT細胞を特異的に除くために必要なノックインマウスを作製するための、ターゲッティングコンストラクションについて検証したところ、想定していた挙動をしないため再設計を行い、新たなターゲッティングコンストラクションを作製した。
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今後の研究の推進方策 |
「CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を可視化できるマウス」の繁殖を進めつつ、得られたマウスの成熟CD4T細胞のみが蛍光タンパク質によりマーキングされていることを確認する。問題なくマーキングされている場合は、タンパク質抗原で免疫を行い、マーキングされたCD8ααT細胞の出現時期やその細胞数を経時的に調べる。 「CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を特異的に除くことができるマウス」に必要なノックインマウスを作製するためのターゲッティングコンストラクションを再構築し、遺伝子組換えマウスを作製する。ある程度繁殖が進んだ段階で、「CD4T細胞由来のCD8ααT細胞を可視化できるマウス」と交配を行い、「可視化したCD4T細胞由来のCD8ααT細胞を特異的に除くことができるマウス」を作製する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は一部のターゲッティングコンストラクションの再構築を行なったことにより、予定していたマウスの作成が令和2年度に持ち越されたため、次年度使用額が生じた。令和2年度は、この使用額を用いて令和元年度で交配したマウスだけではなく、新しく作製したマウスも交配させ、一定数繁殖ののちに各種実験を行う。
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