本研究では、受容体型チロシンホスファターゼ(RPTP)の基質を網羅的に同定する手法の確立を目指した。特にRPTPファミリーの一つであり中枢神経軸索再生の阻害に関与するPTPσを題材に近位依存性標識を用いて、この相互作用分子を同定した。この結果、約100のタンパク質がPTPσ相互作用分子として同定できた。このリストには既報にある分子も含まれていた。さらにこの中から軸索の伸長に関わる分子についてそのチロシンリン酸化とPTPσによる脱リン酸化を確認した。この結果から近位依存性標識法がRPTPの基質同定に有力な手法であることが期待される。
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