研究課題
基盤研究(C)
SLCO2A1遺伝子に関連する慢性腸疾患(CEAS)は、プロスタグランジン(PG)トランスポーターをコードするSLCO2A1の機能喪失型変異により発症する。順天堂医院に来院した家族に慢性非特異性潰瘍を発症していることを見出し、遺伝子解析によって新規のSLCO2A1変異を同定した。潰瘍を発症している患者で尿中のPG代謝物量の上昇を認めた。さらに新規のSLCO2A1変異がPGE2輸送体機能の低下を引き起こし、CEASを誘発することを明らかにした。
脂質生化学
本研究では、これまで知られていなかった新規のSLCO2A1の遺伝子変異を同定した。さらに、変異型輸送体に輸送機能がないことを実験的に証明した。本研究で確立した変異型SLCO2A1の機能解析法、及び質量分析計を用いた尿中代謝物の測定は、患者さんの負担の少ない方法で病態の解明や治療法の開発につながることが期待される。