DNAミスマッチ修復系で中心的な役割を果たすMutLタンパク質の構造機能解析を行った。MutLはATPを加水分解することで構造変化し、DNAを切断するが、ATP加水分解とDNA切断の触媒機構は不明であった。本研究では、MutLのATPaseドメインのフリー・ADP結合型・ATP結合型の立体構造をX線結晶構造解析により明らかにし、また、多様な部位特異的変異体の作製とそれらの活性測定結果より、ATP加水分解のメカニズムを明らかにした。また、MutLのDNaseドメインについても、亜鉛・カドミウム・マンガン結合型の高分解能の構造をX線結晶構造解析により決定し、DNA切断の触媒機構を解明した。
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