本研究では、NMNによるSirt1-NAD+経路の活性化により、炎症性腸疾患における“線維化”を抑制する機構を解明するために研究を行ってきた。線維芽細胞の活性化におけるSirt1の発現を解析するために野生型マウス胎仔線維芽細胞に対しTGFbにより刺激したところ、Sirt1タンパク質の発現や細胞内NAD+量が抑制された。そして、炎症性腸疾患マウスモデルを用いて、大腸の線維化について解析したところ、NMNを投与したマウスでは線維化が抑制された。また、ミトコンドリア機能解析を行った結果、Sirt1機能欠損マウス由来細胞では野生型細胞と比較して酸素消費速度などが有意に低下していた。
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