ペルオキシソーム形成異常症は脳中枢神経系において重度の障害を呈する。我々はこれまでにペルオキシソーム形成異常症モデルマウスを用いた解析から、小脳の脳由来神経栄養因子(BDNF)およびその受容体・TrkB-T1の発現異常が原因であることを見出している。ペルオキシソーム欠損グリア細胞の実験から、BDNFの発現異常はサイトゾルに誤局在したカタラーゼによるサイトゾルの還元化が原因であることを突き止めた。さらに、薬剤誘導性ペルオキシソーム欠損マウスを用いた解析から、生体マウスにおいてペルオキシソーム欠損を誘導すると記憶障害を呈することが明らかとなった。
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