GATA2はマスト細胞、好酸球や血管内皮細胞の分化・維持に必須の転写因子である。我々はGATA2が多くのサイトカイン・ケモカイン遺伝子群の発現を正に制御することを明らかにした。GATA2ヘテロ欠損マウスでは細菌感染によるサイトカイン誘導は減弱するが、細菌除去能が障害されていた。GATA2阻害剤を用いた解析では、細菌内毒素刺激による炎症性サイトカイン産生が抑制されることがわかった。したがってGATA2はサイトカイン産生を支持し感染防御に寄与する機能があることがわかった。GATA2阻害剤は抗炎症剤として期待が持てると考えられるが、GATA2阻害による易感染性の誘導に注意する必要がある。
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