研究課題/領域番号 |
19K07393
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
大海 雄介 中部大学, 生命健康科学部, 助手 (10584758)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | IgG / 自己抗体 / 自己免疫疾患 / 糖転移酵素遺伝子 / 抗糸球体基底膜腎炎 |
研究実績の概要 |
関節リウマチの自己抗体上のシアル酸を改変し、シアル酸付加抗体を作成し、その機能を検討したところ、マウスモデルにおいて、関節炎の誘導を抑制することができた。そこで、本研究では、その他の自己免疫疾患においても、同様に、自己抗体上のシアル酸を改変することで、疾患を制御することができるか明らかにする。そのため、自己抗体が関与する自己免疫疾患である抗糸球体基底膜腎炎において、シアル酸付加自己抗体(抗GBM抗体)が病態を抑制できるか検討した。抗GBM抗体産生ハイブリドーマ(TF78)から得られた抗GBM抗体をlectin blotで糖鎖構造を検討したところ、ほとんどシアル酸は付加していないことがわかった。そこで、 糖転移酵素遺伝子であるST6Gal1遺伝子とB4GalT1遺伝子をレトロウィルスによって抗GBM抗体産生ハイブリドーマに安定発現させ、マウス由来シアル酸付加抗GBM抗体を作成した。また、シアル酸付加に伴い、抗体の安定性が不安定になる傾向が見られた。このメカニズムは現在検討中である。本研究で用いた抗GBM抗体は、ラットに投与することで腎炎を発症できることが明らかになっているので、次に、シアル酸付加抗GBM抗体をラットに投与し、腎炎の発症率を尿タンパク質の量により検討したところ、シアル酸付加抗GBM抗体では、通常の抗GBM抗体と大きな違いが認められなかった。この結果は、シアル酸の影響だけでなく、投与した種間の違いが影響すると考えられた。そこで、今後は、ラット由来シアル酸付加抗GBM抗体を用いてその機能を明らかにする必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
抗糸球体基底膜腎炎をラットに誘導できる抗GBM抗体に対してシアル酸を付加することができたが、コントロールと比べて、抗糸球体基底膜腎炎の発症率に大きな違いは認められなかった。これは、投与した種間の違いの影響が大きく、シアル酸付加による影響が十分に見られないと考えられた。そこで、ラット由来シアル酸付加抗GBM抗体を作成し、その機能の検討が必要になったからである。
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今後の研究の推進方策 |
上記のように、ラット由来シアル酸付加抗GBM抗体を作成し、その機能を検討するため、ST6Gal1遺伝子とB4GalT1遺伝子をレトロウィルスによって抗GBM抗体産生ハイブリドーマに安定発現させ、ラット由来シアル酸付加抗GBM抗体を作成し、ラットに投与して、そのシアル酸の機能を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞実験の試薬が計画よりも抑えられたため、19,897円が残ったが、次年度の予算として、試薬の購入のためのに充てる。
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