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2021 年度 実施状況報告書

脳神経系における新規の遺伝子発現制御機構とその破綻による障害・疾患

研究課題

研究課題/領域番号 19K07394
研究機関沖縄科学技術大学院大学

研究代表者

松浦 憲  沖縄科学技術大学院大学, 神経回路ユニット, 技術員 (10625742)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードCCR4-NOT
研究実績の概要

真核生物の遺伝子発現制御においては、mRNAの翻訳・分解のバランス制御が恒常性維持や環境刺激依存的な変化をする上で鍵となる。CCR4-NOT(CNOT)複合体は 転写後遺伝子サイレンシングにおいて主要な役割を果たし、mRNAの分解と翻訳抑制の二つの重要な働きを持つ。また、神経細胞のRNA顆粒における転写後制御異 常は、脆弱性X症候群など様々な神経・精神疾患の原因になっており、CNOT複合体の関与が疑われる。しかし、脳神経系におけるCNOT複合体の役割はほとんどわ かっていない。本研究では、これまでの我々のCNOT複合体研究の成果を踏まえ、作製したCNOT複合体 KO マウス前脳の異常な遺伝子発現上昇に着目をした。先端 的オミックス(包括的)解析を駆使する事により、神経細胞の遺伝子発現制御におけるCNOT複合体の作用機序やターゲット遺伝子、更には生理的表現型の解析に より、その破綻がもたらす障害・疾患の全体像解明を目ざしている。
当該年度の成果: 1.CNOTに対する特異的抗体とKOコントロール組織を用いた免疫沈降・質量分析解析によりCNOT複合体に脳神経細胞で生理的に結合するタンパク 質および特定の CNOTサブユニット依存的に結合するタンパク質の同定した。これによりCNOTが関わる興味深い経路が示唆された。 2.CNOT前脳KOマウスの行動実 験により特定の行動異常を同定した。これにより特定のCNOTサブユニットが神経細胞で重要な機能を担っていることが証明された。 3.CRISPR-Cas9システムを使 用したCNOTKO神経芽細胞腫を作製し、KO脳で見られる遺伝子変動の同定・再現確認や1で示唆された経路におけるCNOTの役割解析を現在進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

CNOTの前脳特異的KO マウス作成に使用したCamK2a-Creマウスに問題があることが分かり、先にその問題を明らかにする必要が生じた。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた成果に基づき論文を作成・投稿する。

次年度使用額が生じた理由

当該年度予定を繰り越し、翌年度に論文校正・投稿費用、追加実験費用、学会等の旅費に使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Synaptotagmin 2 is ectopically overexpressed in excitatory presynapses of a widely used CaMKIIα-Cre mouse line2021

    • 著者名/発表者名
      Matsuura K, Mohamed H, Yousef M, Yamamoto T
    • 雑誌名

      bioRxiv

      巻: 450492 ページ: -

    • DOI

      10.1101/2021.06.30.45049

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Synaptotagmin 2 is ectopically overexpressed in excitatory presynapses of a widely used CaMK2a-Cre mouse line2021

    • 著者名/発表者名
      Matsuura K, Mohamed H, Yousef M, Yamamoto T
    • 学会等名
      The Molecular Biology Society of Japan

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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