核膜に存在する核膜孔複合体は約30種類のヌクレオポリンと呼ばれるタンパク質から成る巨大複合体であり、核-細胞質間の物質輸送を担っている。ヌクレオポリンの一つであるRAE1はmRNAの核外搬出の制御を行っているが、近年様々ながんにおいて高発現しており、がんの悪性化に関与していることが明らかとなってきた。研究代表者は子宮内膜がんにおいて、がんの悪性化とRAE1の発現レベルとに相関があることを見出し、がん悪性度の違いにより、RAE1がパートナー分子をスイッチングし、mRNAの搬出を制御することで遺伝子発現制御を行っていることを示した。
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