研究課題/領域番号 |
19K07404
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研究機関 | 城西大学 |
研究代表者 |
柴 祥子 城西大学, 薬学部, 助教 (70633824)
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研究分担者 |
池田 和博 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (30343461)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | エストロゲン応答遺伝子 / COX7RP / 糖代謝 / 脂質代謝 / ミトコンドリア |
研究実績の概要 |
ステロイドホルモンをはじめとする内分泌系は、生命活動や生体恒常性に重要である。近年、食の欧米化、身体活動量の低下によるエネルギー収支バランスの崩れに併せて内分泌作用の破綻が重なり、肥満、糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、動脈硬化の発症を増加させ、加齢に伴ってこれら疾患の発症リスクを増加させると考えられている。加えて、加齢に伴って骨粗鬆症を罹患する割合が増加し、この発症の主原因として男女ともに血中エストロゲン量の低下によることが示唆されている。このように女性ホルモンであるエストロゲンは様々な代謝系の調節に関与しているが、詳細な分子機構は明らかではない。我々は、エストロゲン応答遺伝子COX7RPが、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の制御因子であることを解明しており、このCOX7RPがエストロゲンと代謝系とを結ぶ鍵分子として注目されている。ミトコンドリアはエネルギー産生の主要な役割を担っている一方で、酸化ストレスの原因となる活性酸素の主要な発生源にもなっており、加齢・老化や生活習慣病において重要な役割を担うと考えられている。本研究では、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の形成・機能制御によるエネルギー代謝や各種代謝の調節、ならびに寿命や疾患に対する影響を解析することを目的としている。本年度は、COX7RP遺伝子改変マウスを用いて、体重や各臓器重量、ならびに糖代謝、脂質代謝に関する表現型を解析した。並行して、個体レベルにおける寿命検討試験を開始した。また、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の解析方法の改善を行ない、解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COX7RP遺伝子改変マウスを用いて、体重や各臓器重量、ならびに糖代謝、脂質代謝に関する表現型を解析した。並行して、これらCOX7RP遺伝子改変マウスを用いて、個体レベルにおける寿命検討試験を開始し、組織・細胞における ATP産生量、活性酸素発生量を検討した。また、COX7RP遺伝子改変マウスの各組織におけるミトコンドリアのエネルギー産生能における機能について解析方法の改善を行い、検討しており、おおむね順調に研究が進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の解析を引き続き行い、COX7RP遺伝子改変マウスにおけるエネルギー産生能や寿命に関する解析を行い、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の分子制御を明らかにする。このため、寿命に関わる炎症系マーカーや各種ホルモンの血液生化学評価をELISAキット等を用いて行い、これらの遺伝子発現量を解析する。ミトコンドリア呼吸鎖複合体の各種サブユニットの発現量ならびに超複合体形成の質的・量的な変化に関して、COX7RPの影響を明らかにするため、新規改良した解析方法を用いて呼吸鎖超複合体形成を解析する。これらの解析から、COX7RP遺伝子改変マウスの個体寿命における影響、全身ならびに各種代謝における表現型とそのメカニズムを明らかにし、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の分子制御を解析することにより、寿命・疾患との関係を解明し、臨床応用を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
COX7RP遺伝子改変マウスを用いたミトコンドリア分画の調製と呼吸鎖超複合体の解析条件の再検討を行い、改良することにより、効率よくミトコンドリア超複合体の解析が行えるようになり、ミトコンドリア機能評価のための必要な器具や試薬、キット、チューブなどの消耗品が減少した。次年度は、より効率的にミトコンドリア呼吸鎖超複合体の解析を行うことにより、COX7RPの臓器・細胞に特異的な機能に関して、より多くの組織を対象とし、さらに、寿命に関わる炎症系マーカーや各種ホルモンの血液生化学評価をELISAキットなどを用いて測定し、またこれらの遺伝子発現量を調べる。これらの解析から、COX7RP遺伝子改変マウスの個体寿命における影響、全身ならびに各種代謝における表現型とそのメカニズムを明らかにし、ミトコンドリア呼吸鎖超複合体の分子制御を解析することにより、寿命・疾患との関係を解明していくために、次年度も計画的に使用する。
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