筆者らが細管集合体ミオパチー患者において見いだしたSTIM1遺伝子におけるユニークな新規変異の分子病態を解明するため、患者リンパ球から疾患特異的iPS細胞を作製してその解析を行った。このiPS細胞に対して骨格筋への分化誘導を行いSTIM1の局在を観察したところ、健常人由来のiPS細胞とは異なり核周囲にドット状の凝集体を多数形成した。また細胞内のカルシウム濃度を測定したところ、健常人由来のiPS細胞でみられる細胞内カルシウム応答が見られずカルシウム濃度は低値のままであった。これらの結果から筆者らが見いだしたSTIM1変異は筋細胞内カルシウムの枯渇が原因でミオパチーを発症するものと考えられた。
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