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2020 年度 実施状況報告書

変形性関節症自然発症マウスモデルの解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K07409
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

渡辺 研  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 運動器疾患研究部, 室長 (10342966)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード変形性関節症 / モデルマウス / ゲノム解析 / フェロトーシス
研究実績の概要

変形性関節症は最も罹患者の多い加齢性の運動器疾患であり、介護要因の一つである。これまでに、障害誘導性のモデルマウスやヒト集団を用いた分子遺伝学的 アプローチにより、病因論につながる分子やパスウェイが提案されてきたが、手術による治療法以外にエビデンスで支持された治療法は非常に限られており、また疾患修飾薬もない。世界でも珍しい遅発性の変形性関節症自然発症マウスの遺伝素因の解析から、新たな分子の活性消失型変異を発見した。これまでにこの変異が軟骨変性に関わると考え、遺伝子発現と細胞を用いたin vitroの検証を行った。当該遺伝子は、加齢とともに発現が上昇したことから、老化や疾患と強い関連があるIL-1βによる変動を見たところ、顕著に発現が誘導され、変形性関節症の発症要因である加齢と炎症との接点が示唆されたことから、変形性関節症の発症において一般化できないかと考え、8週齢の野生型マウスを用いた変形性関節症モデルで検討を行った。片側の膝関節において半月板と前十字靭帯の部分切除による関節不安定化モデルを作出し、また、同一個体の片側は皮膚切開を行うsham手術を施し、手術後4週の関節変性について検討を行ったところ、フェロトーシス阻害剤の関節内投与により顕著に変性の程度が軽減した。このことから、モデルマウスの軟骨変性の原因に加え、変形性関節症モデルにおいても病態の発症・進行にフェロトーシスが関与することが考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitro/in vivoとも実験は順調に進み、マウス外科的モデルでの検証も終え論文投稿に進んでいる。

今後の研究の推進方策

前年度において外科的関節症モデルでの検証を行ったことから、サイトカイン発現マウスを用いて、変形性関節症の発症における炎症性サイトカインのフェロトーシス誘導について知見を得る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、発注した消耗品類の納期が遅延し、納期が21年度となったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 変形性関節症自然発症マウスSTR/ortの関節軟骨変性にはFerroptosisが関与する2020

    • 著者名/発表者名
      馬 凌云、定梶嶺、中村博幸、渡辺 研
    • 学会等名
      第52回日本結合組織学会学術大会

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公開日: 2022-12-28  

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