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2021 年度 実施状況報告書

難治性膀胱尿路上皮癌におけるアンドロゲンの意義と治療標的の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 19K07420
研究機関東北医科薬科大学

研究代表者

中村 保宏  東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (80396499)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード難治性膀胱尿路上皮癌 / アンドロゲン受容体 (AR) / T24細胞 / NKB1細胞 / PTOV1 / PMEPA1
研究実績の概要

1. 術前化学療法を行った筋層浸潤膀胱尿路上皮癌およびそのリンパ節転移検体において、アンドロゲン受容体(AR)の発現状況を免疫組織化学的検討で評価した。その結果、これらの症例では膀胱原発巣でのAR発現は概して低く、さらにリンパ節転移部ではほとんどの症例で陰性であることが確認された。一方、一部であるもののARの高発現を示す症例が存在することが確認された。

2.ヒト膀胱尿路上皮癌細胞株NKB1において、dihydrotestosterone (DHT)添加に対するC1orf116-2やC5orf46-2のmRNA発現量に関する詳細な検討(濃度依存性、時間依存性の有無など)を行ったが、最終的には有意な変化は確認できなかった。

3. ヒト膀胱尿路上皮癌細胞株であるT24細胞に対して、AR強制発現株作成を行った。その結果、同株ではAR関連因子であるprostate tumor overexpressed-1 (PTOV1)とPMEPA1 prostate transmembrane protein, androgen induced 1(PMEPA1)のmRNA量の発現上昇が確認された。一方で、この細胞株へDHT添加では強制発現前株との比較で細胞増殖能やアポトーシス関連遺伝子であるCaspase3,8,9のmRNA発現量に有意な変化は見られなかった。よって、強制発現されたARがDHT添加下での同細胞の増殖やアポトーシスに直接の影響は及ぼさない可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延により一定期間研究の遂行ができなかったため。また、NKB1細胞でのAR強制発現株での機能実験で新しい知見が得られず、T24細胞でのAR強制発現株作成に切り替えたことでより長い時間を要したため。

今後の研究の推進方策

AR強制発現株で発現の上昇がみられたPTOV1とPMEPA1について、DHT添加による発現変化の有無やT24細胞での機能的意義について詳細な解析を行う予定である。さらに、免疫組織化学による膀胱癌患者の病理検体でのこれら発現度と臨床病理学的因子との関連についての検討も実施する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の蔓延により一定期間研究の遂行ができなかったため、今回の差額が生じた。そのため、研究期間を延長し、主に新たに作成した細胞株における機能実験やヒト病理検体を用いた免疫組織化学的検索に未使用分を充てる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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