研究実績の概要 |
ヒト進行直腸癌で、PDL1陽性癌・間質細胞による癌幹細胞ニッチの形成について調べるため、NCRT未施行大腸癌組織標本で、HE標本によるbuddingの判定と免疫染色(PDL1, PD1, CD4, CD8, CD68)の詳細な検討を行っている。判定部位を癌の表層、中層、下層と区分し、各々の領域で癌細胞浸潤陽性細胞、癌周囲間質内陽性細胞を判定した。免疫染色を行ったPDL1, PD1, CD4, CD8, CD68の陽性細胞をそれぞれ癌細胞浸潤および癌周囲間質内陽性細胞について、判定部位による比較、判定部位ごとにPDL1, PD1, CD4, CD8, CD68の癌周囲間質内陽性細胞の相関の有無、さらにbuddingの程度とPDL1, PD1, CD4, CD8, CD68の癌細胞浸潤および癌周囲間質内の陽性細胞の関連、各判定部位での、PDL1, PD1, CD4, CD8, CD68陽性細胞と臨床病理学的因子との関係や予後との関係を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後、NCRT施行後の進行直腸癌で免疫染色(PDL1, PD1, CD4, CD8, CD68)の癌細胞浸潤陽性細胞、癌周囲間質内陽性細胞を判定し、NCRT効果との関連を解析する。癌幹細胞ニッチの形成状況、NCRTによる癌免疫微小環境の改変効果について検討する。 さらに、NCRT未施行の進行大腸癌とNCRT施行後の進行直腸癌の各解析結果を考察し、NCRT抵抗例における癌免疫療法併用の有用性の検討を通じて、進行期直腸癌の新規治療パラダイム構築のための基礎データの集積につなげる。
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