研究課題/領域番号 |
19K07424
|
研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
山田 勢至 藤田医科大学, 医学部, 講師 (00566870)
|
研究分担者 |
櫻井 浩平 藤田医科大学, 共同利用研究設備サポートセンター, 講師 (10608756)
廣瀬 雄一 藤田医科大学, 医学部, 教授 (60218849)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 脳腫瘍 / グリオーマ / 遺伝子発現解析 / 再発 / pathway解析 |
研究実績の概要 |
グリオーマは中枢神経系の支持や代謝に関わるグリア細胞を起源とした脳腫瘍であり、成人の原発性脳腫瘍の約1/4を占める。グリオーマの多くは、浸潤性増殖を示す予後不良の悪性腫瘍である。臨床上の大きな問題点として、手術でグリオーマを全摘出できたとしても数年後に再発することが挙げられる。初回手術時と比較して再発時に高い悪性度を獲得する症例もある。このため、予後を含めた生物学的特性を客観的かつ正確に捉える手法が望まれている。本研究の目的は、グリオーマの“病理組織形態像”と“遺伝子変異”を結びつけ、その結果得られた情報から予後を推測し治療薬を選択する基盤を確立することである。本研究では、主に再発グリオーマ症例に焦点を当てる。再発症例に特異的な体細胞変異と遺伝子発現変動を解析(pathway解析)し、予後や病理組織像との関連について解析する。「初回手術時で既に存在する体細胞変異・発現異常」と「再発時に新たに獲得された体細胞変異・発現異常」に注目する。これまでに初発時と再発時のグリオーマの細胞株からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析(Agilent社 SurePrint G3 Human Gene Expression 8 x 60k v3 Microarray)によりmRNA発現量を比較した。初発時と再発時を比較すると、いくつかの遺伝子に発現変動がみられ、これらのmRNA発現が再発に関与する可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
細胞株から抽出したDNAを用いて、シークエンス法による遺伝子変異とSNP array(Affymetrix社 CytoScan HD Array)によるコピー数異常の解析予定していたが、抽出したDNAのクオリティが低く、検索できていない。
|
今後の研究の推進方策 |
マイクロアレイ解析の結果をもとに詳細なpathway解析を行い、グリオーマの再発・進展に関与する遺伝子を絞り込む。細胞株から再度DNAを抽出し、遺伝子変異およびコピー数の異常を検索する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
シークエンス法による遺伝子変異解析を予定していたが、細胞株からのDNA抽出に遅れが生じたため遂行できず、次年度使用額が生じた。
|