研究課題/領域番号 |
19K07430
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
細田 和貴 愛知県がんセンター(研究所), がん情報・対策研究分野, 研究員 (00728412)
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研究分担者 |
谷田部 恭 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (90280809)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Pancreatic cancer / tumorigenesis / KRAS mutation / fusion gene |
研究成果の概要 |
本研究では、膵癌のうちKRAS遺伝子変異陰性の膵管癌において、融合遺伝子を含めた遺伝子異常の関与について検索し、更にはこれらが膵癌発生において上皮内病変の段階から重要な役割を果たしている可能性について検討した。75例の症例集積後、詳細な臨床病理学的解析を行ったのち、KRAS遺伝子変異陰性の膵癌では融合遺伝子の関与、特にALKやFGFR2といった治療薬と紐づいた融合遺伝子がみられることを明らかにした。さらには前駆病変においても融合遺伝子の存在を見出すことができ、前駆病変の形成という早い段階から融合遺伝子異常が獲得されることが示唆された。
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自由記述の分野 |
Pancreatic cancer research
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵管癌のKRAS遺伝子変異の検討によるKRAS変異陰性型の膵管癌の抽出は、何らかの特徴的な分子異常を有し、特に治療に紐づく融合遺伝子を有する頻度が高いことが明らかとなった。 KRAS変異陰性型膵癌に特徴的な臨床的特徴は見出せなかったが、病理学的には非通常型の組織型がみられるという特徴が明らかとなり、今後このような組織型の膵癌も遺伝子変異のみならず融合遺伝子も検索することで、より効率的に治療に紐づく分子異常を検出できる可能性があることが示唆された。病理学的にはこれら融合遺伝子が腫瘍発生の前駆病変の段階からみられることが明らかとなり、融合遺伝子が腫瘍発生の重要なドライバーとなりうることが示された。
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