研究課題/領域番号 |
19K07442
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
渡邉 真理子 北里大学, 医療衛生学部, 助教 (90270701)
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研究分担者 |
堀江 良一 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80229228)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Epstein-Barr ウイルス / リンパ芽球様細胞株 (LCL) / CD30 / CD30L / CGH 法 / RNA Sequence |
研究実績の概要 |
2019年度は、Epstein-Barr (EB))ウイルス感染により正常末梢血リンパ球をリンパ芽球様細胞株 (LCL) にトランスフォームさせ、CD30高発現の細胞をソーティングにより分離してLCL (N=2))の樹立に成功した。これらのLCLに発現誘導したCD30をCD30Lで1ヶ月持続的に刺激し、回収したLCL細胞のDNAを抽出してアレイCGH 法でゲノム異常を解析した。アレイCGH法の解析結果より、CD30Lで刺激したLCLでは、刺激しないコントロールのLCLと比較して、染色体の過剰、欠失、増幅などのコピー数異常が認められ、CD30により誘発される複数のゲノム異常が確認された。 2020年度の研究計画は、樹立したLCLで発現しているCD30を、リガンドCD30Lで持続的に刺激して、その結果起る遺伝子の発現異常をRNA Sequence(業務委託)により網羅的に解析することが目標であった。 まずはじめに、実験材料として昨年度アレイCGH 法解析を行った条件で、リンパ芽球様細胞(LCL)をリガンド CD30L発現細胞を用いて1ヶ月間継続的な刺激を行った。CD30Lで刺激したLCL細胞(N=2)を回収後、ギムザ染色を行い細胞の形態変化を確認、Total RNAを抽出して日本ジーンウィズ株式会社にRNA Sequence解析の業務委託を行った。RNA Sequenceは完了し、本年1月中旬にデータが納品された。現在データの解析を進めている段階であり、CD30により発現が変化する遺伝子約1000個の特定に成功した。なかでも、樹立したLCL 2株に共通な動きをしている遺伝子が157個(Down 23個、Ups 134個)検出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍により多少遅れてはいるが、ほぼ計画通りに遂行できている。アレイCGH(array comparative genomic hybridization)法でゲノム異常の解析を行った際、LCL細胞1株当たりN=3で解析を進めたところ、一部の実験を再度行う必要があることが判明した。統計学的な解析を行うためにはN=3で解析を進める必要があり、現在実験を行っているところである。
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今後の研究の推進方策 |
今後、CGH法で得られたデータならびにRNA sequenceで得られたデータのさらなる解析整理を進め、病態進展に伴う遺伝子マーカーの同定や腫瘍化メカニズムの解明に繋がる遺伝子の探索を行う。さらに、EBウイルス関連リンパ増殖性疾患、それを背景とした悪性リンパ腫症例のパラフィン包埋標本から病変をレー ザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)法で回収、DNAを抽出して増幅後、次世代シークエンサーで特定したターゲット領域の遺伝子異常を解析する計画である。遺伝子異常の時系列的出現や蓄積を検討し、高リスク群マーカーの特定を試みる。EBウイルス関連リンパ増殖性疾患患者で悪性リンパ腫へ進展する高リスク群が特定できれば、すでに他疾患で臨床応用されている 抗CD30抗体(微小管阻害薬付加抗体;ベドチン)を使用した治療が有用と考えられる。CD30L刺激を1カ月続けたLCLに対するベドチンの有効性を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により多少遅れてはいる。アレイCGH(array comparative genomic hybridization)法でゲノム異常の解析を行った。LCL細胞1株当たりN=3で解析を進めたところ、一部の実験を再度行う。統計学的な解析を行うためにはN=3で解析を進める必要があり、現在実験を行っているところである。RNA Sequence(業務委託)は、当初予定していた価格より安く請け負う業者に依頼できたため見込みより安価で済んだ。さらに、RNA Sequenceで変化を認めたいくつかの遺伝子についてバリデーションを行う計画である。
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