研究課題/領域番号 |
19K07460
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
尾本 雅俊 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (40464333)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 血液神経関門 / 末梢神経障害 / 基底膜 |
研究実績の概要 |
[ヒト末梢神経を材料とした神経内膜内小血管の基底膜成分の組織学的解析] 剖検および生検から得られたヒト末梢神経凍結固定標本に免疫組織染色を行い,神経内膜内小血管基底膜に発現する基本成分を検討した.候補分子は,BBBを構成する基底膜で主体と報告されているラミニンα4とα5(Sixt M, et al. J Cell Biol 2001)であり,あわせてラミニンβ1~3,ラミニンγ1~3の構成を確認して,最終的にラミニンアイソフォームを検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者の研究室には,すでにCIDP各病型の臨床データと腓腹神経検体が複数例,詳細な末梢神経病理検討が可能な形(凍結固定,エポン包埋,ときほぐし標本)で保管されている.これらの豊富な資料を用いて染色のやり直しを行ったが,予定通りの検討を行うことができた.末梢神経ではラミニンα4染色性が中枢神経と異なることが推定された.
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今後の研究の推進方策 |
[ヒト末梢神経を材料とした神経内膜内小血管の基底膜成分の生化学的解析] 前記の生検および剖検材料から得られた末梢神経凍結固定組織より,研究代表者の研究室で行っている方法(Kanda T, et al. J Neurosci Res 1997)を用いて末梢神経の神経内膜内小血管分画を分離し,ウエスタンブロッティング(WB)法で発現する分子を同定する.第一の候補分子は前記免疫組織染色の検討と同じくラミニンα4とα5であり,あわせてラミニンβ1~3,ラミニンγ1~3を検討して,最終的にラミニンアイソフォームを確定する.その他にtypeⅣ以外のコラーゲン分子についても検索を進める.
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね予定通りの予算使用であった.英文校正費用の節約が少しできた.
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