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2022 年度 実績報告書

直接抗ウイルス剤によるウイルス排除後肝癌における免疫微小環境の病理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K07462
研究機関佐賀大学

研究代表者

相島 慎一  佐賀大学, 医学部, 教授 (70346774)

研究分担者 吉田 裕樹  佐賀大学, 医学部, 教授 (40260715)
平岡 伸介  国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40276217)
能城 浩和  佐賀大学, 医学部, 教授 (90301340)
杉町 圭史  独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 肝胆膵外科医長 (90452763)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードCD8 / 肝細胞癌 / 肝炎ウイルス / 免疫微小環境
研究実績の概要

HCVに対する直接抗ウイルス剤使用による持続的ウイルス学的著効の状態(SVR)が肝発がんと腫瘍形成に与える影響を明らかにすることを目的とした。2011年から 2018年に肝癌に対して外科切除された肝細胞癌症例に対して、肝癌組織の分化度、腫瘍径、脂肪化の程度、炎症細胞浸潤の程度、血管侵襲の有無、非腫瘍部の肝 障害の程度など)を評価した。代表的切片を選択した後、腫瘍内および非腫瘍部に浸潤しているTリンパ球に対するCD8抗体による免疫染色を147例に対して行 い、画像解析ソフトにより解析した。非癌部のリンパ球浸潤614.8(81.7-1971)、非癌部CD8陽性細胞160.7(5.3-601.7)、非癌部CD8陽性細胞割合27.9%(3.9%65.4%)で、癌部の炎症細胞浸潤417.3(53.7-1858.6)、癌部CD8陽性細胞46.1(0-311.3)、癌部CD8陽性細胞割合13.2%(0-63%)であった。 上記の細胞数と年齢、性別、組織分化度、肉眼型、多発・単発、腫瘍径との間に統計学的有意差は見られなかった。非癌部の炎症細胞浸潤とCD8陽性細胞はいず れもHCV群でNBNC群よりもリンパ球浸潤が多かった。一方で、癌部のリンパ球浸潤、CD8陽性細胞はHCV群、HBV群、NBNC群で統計学的に有意差は無かった。HCV群 においてSVRの有無について比較したところ、非癌部のリンパ球浸潤、CD8陽性細胞はSVRなし群はSVRあり群に比べて高かった。癌部のリンパ球浸潤はSVRなし群 はSVRあり群に比べて高かったが、癌部CD8陽性細胞はSVRの有無により有意差はなかった。非癌部および癌部のリンパ球浸潤はSVRにより有意に減少するが、CD8 陽性細胞数は有意差は見られなかったことから、HCVウイルス排除後にもCD8陽性細胞が腫瘍内微小環境に影響を与得ている可能性が示唆される。

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公開日: 2023-12-25  

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