研究課題/領域番号 |
19K07470
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
平林 健一 東海大学, 医学部, 准教授 (60514388)
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研究分担者 |
宮沢 正樹 東海大学, 健康学部, 講師 (10554818)
大池 信之 昭和大学, 医学部, 客員教授 (20286777) [辞退]
大久保 陽一郎 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 医長 (40516267)
福村 由紀 順天堂大学, 医学部, 准教授 (90407312)
田尻 琢磨 東海大学, 医学部, 教授 (60327913)
内藤 嘉紀 久留米大学, 大学病院, 准教授 (50465712)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 膵臓 / 神経内分泌腫瘍 / miRNA / マイクロアレイ |
研究実績の概要 |
膵神経内分泌腫瘍(pancreatic neuroendocrine tumor: PanNET)は、膵臓の神経内分泌細胞より発生すると考えられている腫瘍である。PanNETの薬物治療としてsomatostatin analogue製剤やmTOR阻害剤が主に使用されるが、十分な治療効果が得られない症例も少なくない。somatostatin analogue製剤やmTOR阻害剤の薬理作用には、様々な分子を制御するmicroRNA (miRNA)が関わっていると推測されるが、これまで十分な解析は行われていない。そこで、本研究ではsomatostatin analogue製剤やmTOR阻害剤の抗腫瘍効果を制御するmiRNAを明らかにすることを計画した。2021年度は、PanNET組織切片上でAKT1の発現と逆相関の発現を示したmiR-185-5pについて検討を行った。PanNET細胞株QGP1にmiR-185-5p のmimicまたはinhibitorを導入し、AKT1の発現、細胞増殖能、mTOR阻害剤(エベロリムス)添加時の細胞増殖能の変化について検討した。その結果、ネガティブコントロール細胞と比較しmimic導入細胞ではAKT1の発現が減弱し、また細胞増殖率が高かった。mTOR阻害剤を添加した検討では、mimic導入細胞ではネガティブコントロール細胞に比較し細胞増殖抑制効果が高かった。逆に、inhibitor導入細胞ではネガティブコントロール細胞に比較し細胞増殖抑制効果が減弱した。この結果からは、miR-185-5pはAKT1の発現抑制と細胞増殖能亢進に関与することが示唆された。一方、mTOR阻害剤添加時にはその抗腫瘍効果を増強することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特定のmiRNAがmTOR阻害剤の抗腫瘍効果を増強することを明らかにした。研究は概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、組織切片上でのmiRNA in situ hybridizationやsomatostatin analogueに関連するmiRNAについても検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
miRNA in situ hybridization等の予定されていた実験が施行できなかったため、当初予算よりも消耗品の使用額が少なく繰越金が生じた。次年度は残額を組み入れmiRNA in situ hybridization等の実験を行う。
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