研究課題/領域番号 |
19K07474
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
井上 裕介 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (90304302)
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研究分担者 |
阪口 政清 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (70379840)
柿崎 暁 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (80344935)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | NASH / 核内受容体 / 線維化 / 脂肪酸 / miRNA |
研究実績の概要 |
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は良性の脂肪肝から進展し、肝癌に進行する悪性疾患であるが、その発症機構は不明で治療薬もない。申請者は、核内受容体HNF4Aの肝臓特異的欠損マウス(Hnf4aΔHマウス)が脂肪肝を経てNASHを発症し、さらに核内受容体PPARAを欠損させたダブル欠損マウスがNASH改善と寿命延長を示すことを見出した。本研究では、①Hnf4aΔHマウスで発現上昇する脂肪酸不飽和化/伸長酵素が、脂肪酸の質的変化を引き起こし、PPARAを活性化する。②microRNA の発現低下が、PPARAのさらなる活性化と肝線維化を促進する。という2つの仮説を検証することにより、新規NASH発症機序の解明を目指した。Hnf4aΔHマウスで発現上昇する脂肪酸伸長酵素遺伝子のPPARA結合部位を同定し、この脂肪酸伸長酵素遺伝子の発現がこのPPARA結合部位依存的に転写活性化されることを明らかにした。また、miR-194遺伝子の新規標的遺伝子を8個同定することができ、これらの標的遺伝子はHnf4aΔHマウスで発現増加していることも明らかにした。さらにはmiR-192の標的遺伝子候補を32個スクリー二ングした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定のことが解析できたため
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今後の研究の推進方策 |
脂肪酸伸長遺伝子の発現ベクターを正常マウス肝臓で発現させることにより、遺伝子の機能や脂肪酸組成を解析する、さらには、miR-194, 192, 455の標的遺伝子について、Hnf4aΔHマウスの表現型発症やPPARAの転写活性化に寄与するのかどうかを解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の未使用額であり、次年度に使用予定である。
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