研究課題/領域番号 |
19K07477
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
桜井 敬之 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (80317825)
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研究分担者 |
武井 則雄 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50523461)
新藤 隆行 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (90345215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アドレノメデュリン / 受容体修飾因子 / RAMP / ゲノム編集 / CRISPR/Cas9 / 多遺伝子同時改変 / 炎症性腸疾患 / 腸オルガノイド |
研究実績の概要 |
アドレノメデュリン(AM)は、多彩な生理作用を有する生理活性ペプチドであり、各種疾患への臨床応用が期待されている。AMの多彩な生理作用は、AMの受容体に結合する受容体活性調節タンパクRAMP1、2、3によって制御されていると考えられているが、詳細な分子機構は不明である。申請者は、ほとんどの細胞種が、複数のRAMPを同時発現している一方で、各々の単独のノックアウトマウスの解析から、RAMP1、2、3に機能分化と相互作用が存在する可能性を見出した。 本研究では、申請者が独自に開発した複数同時ゲノム編集技術を応用して、従来法では困難であった (1) RAMP1、2、3について複数の変異を併せ持つ8種類のマウス群を体系的に作製する。同マウス群による、 (2)炎症性腸疾患などの病態モデルの解析や、(3)腸オルガノイド、各種の初代培養細胞を用いた検討により、個体、臓器、細胞間、細胞の各レベルにおけるRAMP1、2、3の病態生理学的意義の解明に挑戦する。これらの解析から、RAMP1、2、3間の機能分化と相互作用の包括的な理解を得ることと、同時にAM-RAMPシステムを治療標的とする上でのProof of Concept 取得につなげることを目指す。本年度は、上記(1)のRAMP遺伝子変異マウス群の作製に成功し、 (2)実験のための交配繁殖を進めた。 (1)で産出した一部のマウスを用いて (3)実験の条件設定および解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の達成目標である体系的複数同時 RAMP群ゲノム編集マウスの樹立に成功した。同マウス群は次年度の解析試料のための交配繁殖を開始した。早速、これら樹立マウス群の一部を用いて個体、臓器、細胞間、細胞の各レベルにおける解析系の条件設定を検討しつつ、データの取得を開始した。その結果、体系的複数同時 RAMP遺伝子変異マウス各群から腸オルガノイドの安定した作製を確立し、RAMP遺伝子変異腸オルガノイドの形成様を観察した。更にその少量サンプルでの遺伝子発現解析系を構築した。更に各種の初代細胞として、腹腔マクロファージ (Mf)の解析を先ず開始し、 RAMP1欠損Mfは炎症を亢進すること、 RAMP3欠損Mfは炎症を抑制することを再観察した。そして両遺伝子が同時欠損した Mfでの炎症応答性を初めて観察した。
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今後の研究の推進方策 |
RAMP1、2、3同時遺伝子改変マウスの繁殖は順調に進んでいる。我々独自の同時遺伝子改変マウス作製は迅速かつ高効率であるので、もしも必要が生じれば、新規遺伝子改変マウスを追加作製する。 個体レベルでの病態解析:RAMP群同時遺伝子改変マウスによる炎症性腸疾患モデルなどを用いて、RAMP1、2、3の変異およびその重複と、病態の重症度との関連を明らかとする。 臓器レベルでの細胞間相互作用の解析:同遺伝子改変マウス由来の腸オルガノイドの機能や、炎症刺激や炎症系細胞との共培養を行ったときの形態および機能の変化を検討する。 細胞レベルでの応答性および細胞内シグナルの解析:各遺伝子改変マウスの腸管から主に初代培養細胞を得る。腸上皮細胞、線維芽細胞、免疫系細胞各々において、AMや炎症サイトカイン刺激に対する応答性や細胞内シグナル伝達を検討する。
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