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2020 年度 実施状況報告書

リコンビナント・インブレッド系マウスを用いた膠原病治療モデルのゲノム病理学的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K07478
研究機関岐阜大学

研究代表者

宮崎 龍彦  岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80239384)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード実験病理学 / 膠原病治療モデル / リコンビナント・インブレッド / ゲノム病理学的解析 / 蛋白アナログ
研究実績の概要

申請者らは、世界で唯一の組換え近交系膠原病モデルマウスを用いて、膠原病疾患の感受性および治療反応性・抵抗性を規定する因子の解析を行ってきた。これまでに、Opnの蛋白多型が自己免疫性糸球体腎炎感受性を規定することを明らかにし、Opn-インテグリンの結合を阻害することで自己免疫のmalignant cycleを止めることが出来る可能性を見いだした。Opnのインテグリン結合部位には膠原病モデルマウスMRL/lprと膠原病抵抗性マウスC3H/lprの間で多型があり、この多型部位のMRL型に特異的に結合する蛋白をスクリーニングして候補を見つけ出し、Opn-インテグリン結合阻害蛋白候補とした。Opn-インテグリン結合阻害蛋白の候補数種類の中から、腎炎抑制効果のあるものをMXH系マウスへの投与実験により確立した。
そこで、次の段階としてOpn-インテグリン結合阻害蛋白による膠原病治療モデルの実施と、治療反応性の解析を目的として、4ヶ月齢~6ヶ月齢のMHX各系統マウスの尿蛋白をテストテープでスクリーニングし、腎炎発症した個体を使用した。Opn-インテグリン結合阻害蛋白を経尾静脈的に、もしくは経左鼠径部リンパ節的に投与する。治療コントロールとしてシクロフォスファミド、陰性コントロールとして生理食塩水を投与した、二ヶ月間薬剤を投与し、投与期間中の尿蛋白、体重を測定した。投与終了後速やかに剖検して腎臓および、血管、関節、唾液腺、涙腺の各臓器病変について組織学的に評価している。さらに、剖検時に血清を採取し、腎機能、炎症マーカー、免疫グロブリン、補体を定量した。治療反応性・抵抗性に関する各種パラメーターを解析し、治療反応性ストレインと治療抵抗性ストレインを見いだした。現在、その遺伝子背景を解析中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Opn-インテグリン結合阻害蛋白の開発は、in vitroでの阻害効果の検証にやや手間取っているもののほぼ計画のペースに戻った。一方でRRP8およびTNP1のデコイ蛋白の合成につき、コロナ感染防止のために、共同研究部分が滞っている。その代わりに、既存の投与系へのin vivo解析をn数を増やして先行させ、データ解析を進めている。

今後の研究の推進方策

低分子化したOpn-インテグリン結合阻害蛋白の合成を急ぎ、今年度にはそれらを用いたin vitro, in vivoの解析を大幅に進捗させたい。また、in vivoの投与系でリコンビナント系マウスの系統間での治療効果の差について、その背景遺伝子の関与につき、予定通りの解析を進めていく。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Phillips University Marburg(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Phillips University Marburg
  • [雑誌論文] Proinflammatory Cytokine Secretion in a Patient With Recurrent Neuroblastoma Related to the Onset of Malignancy-associated Hemophagocytic Lymphohistiocytosis2020

    • 著者名/発表者名
      Nozawa, A. Ozeki, M. Yasue, S. Endo, S. Ohe, N. Miyazaki, T. Fukao, T.
    • 雑誌名

      J Pediatr Hematol Oncol

      巻: 42 ページ: e199-e201

    • DOI

      10.1097/MPH.0000000000001617

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Induced genetic ablation of Rest leads to the alteration of stimulus-induced response of the vagal nerve2020

    • 著者名/発表者名
      Aoki, H. Abe, C. Hara, A. Miyazaki, T. Morita, H. Kunisada, T.
    • 雑誌名

      Genes Cells

      巻: 26 ページ: 45-55

    • DOI

      10.1111/gtc.12819

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] リンパ系ドラッグデリバリーによる腎炎・腎血管炎治療モデルの開発2020

    • 著者名/発表者名
      宮崎, 龍彦 小林, 一博 酒々井, 夏子 松本, 宗和 新居, 俊典
    • 学会等名
      第109回日本病理学会総会
  • [学会発表] IgG/IgM血管炎とIgA血管炎の臨床的および病理組織学的所見の比較検討2020

    • 著者名/発表者名
      川村, 美保 水谷, 陽子 松山, かなこ 周, 円 宮崎, 龍彦 清島, 真理子
    • 学会等名
      第130回日本皮膚科学会総会
  • [学会発表] OMAAVの上気道生検組織の組織学的パラメーターの解析2020

    • 著者名/発表者名
      宮崎, 龍彦 小林, 一博 久松, 憲治 酒々井, 夏子 松本, 宗和 武曾, 恵理 小川, 弥生 中沢, 大悟 石津, 明洋 原渕, 保明 岸部, 幹
    • 学会等名
      第25回日本血管病理研究会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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