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2019 年度 実施状況報告書

自己免疫性疾患における転写因子MafBの役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 19K07482
研究機関香川大学

研究代表者

財賀 大行  香川大学, 医学部, 助教 (40752499)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード疾患モデルマウス / インターフェロン / 転写因子MafB
研究実績の概要

形質細胞様樹状細胞による過剰なI型インターフェロンの産生が、自己免疫性疾患の発症や病態増悪に関与していることが知られているが、その具体的な分子メカニズムや根本的な治療法は存在しない。これまでに申請者らは、形質細胞様樹状細胞のインターフェロン産生の調節機構に転写因子MafBが関与していることを明らかにしてきた。そこで本研究課題では、疾患モデルマウスを用いることによって転写因子MafBの生体内での役割を明らかにすることを目的とした。
本年度はまず疾患モデルマウスを作製し、モデルマウスと対照マウス(コントロール)の比較を行った。①疾患モデルマウスおよび対照マウスより患部を採取し、各マウスのサイトカイン産生を測定したところ、対照マウスに比べて疾患モデルマウスではインターフェロンαやTNFαといった炎症性サイトカインの産生量が顕著に増加していた。②さらに採取した患部よりRNAを抽出し、遺伝子発現を解析したところ、I型インターフェロンをはじめ多くの炎症性サイトカインの発現量が疾患モデルマウスで増加していたのに対して、転写因子MafBの発現量のみ減少していた。③転写因子MafBの遺伝子発現を上昇させる薬剤を疾患モデルマウスに投与したところ、疾患モデルマウスでの炎症性サイトカイン産生の増加が抑制された。
以上の結果から、モデルマウスを用いた本実験においても当疾患の発症や病態形成にはI型インターフェロンなどのサイトカイン産生が重要であること、生体内におけるインターフェロン産生が転写因子MafBの発現量によってコントロールされることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

疾患をターゲットにした本研究において疾患モデル動物は必要不可欠であったが、予定通り疾患を発症するモデルマウスの作製を確立することができた。また疾患モデルマウスと対照マウスを比較することによって、インターフェロン産生と転写因子MafBの生体内での関係性や今後の疾患に対する治療薬開発につながる基礎データを得ることができた。

今後の研究の推進方策

今後引き続き、疾患モデルマウスと対照マウスを比較することによって転写因子MafBの生体内での役割を解析するとともに、特に形質細胞様樹状細胞が発現するMafBがどの程度、当疾患に関与するインターフェロン産生に影響しているのかを明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していた学会への参加を取りやめたため、旅費が不要になった。
次年度予定している国内外の学会への旅費、もしくは現在執筆中の英文校正費に計上する予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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