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2021 年度 実績報告書

CRY1結合蛋白質の解析を基にした新規膵癌生成機序及び概日リズム制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K07498
研究機関山形大学

研究代表者

岡野 聡  山形大学, 医学部, 助教 (60300860)

研究分担者 佐藤 賢一  東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (10282055)
中島 修  山形大学, 医学部, 教授 (80312841)
安井 明  東北大学, 加齢医学研究所, 加齢研フェロー (60191110)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード上皮間葉転換 / 膵β細胞 / 膵δ細胞 / 亜鉛結合不全型CRY1 / 分化転換 / 脱分化 / 膵癌 / 時計遺伝子
研究実績の概要

長年継続している, 大学組織の枠を超えた「CRY・時計遺伝子研究グループ」で下記の研究を実施した。
MIN6細胞 (膵β細胞株)をKClで処理し慢性高血糖を模倣した状態を実現して, β細胞にどの様な影響がもたらされるかを明らかにする解析については, RNA-seq解析とその結果を基にしたバイオインフォマティクス解析を行なった。β細胞機能に関わる経路の遺伝子群の発現低下が示され, 前年度までの研究成果をさらに支持する結果を得た。
MIN6細胞ではKClで処理により, 上皮系マーカーのE-cadherin遺伝子の発現が, 顕著に低下することを新たに明らかにした。上皮間葉転換(EMT)様の変化が起こっているものと思われる。
これまでに見出したCRY及びそのタンパク質複合体構成タンパク質(FAM98A, KPNA2)の膵癌形成における機能を明らかにすることを目的として, ヒト膵管癌細胞のEMTの誘導実験を行った。Panc-1細胞をリコンビナントBMP4で刺激し, 24h後にRNAを採取し, qPCR法で発現解析を行なった。対照の細胞と比較して, BMP4処理細胞ではE-cadherinの発現は低下し, Vimentin及びN-cadherinの発現が増加し, EMT誘導を確認した。Kpna2は変化せず, Fam98aは有意に増加した。時計遺伝子Per1,Per2, Cry1は変化がみられず, Cry2は発現が亢進した。膵癌細胞 EMT においてCry2 特異的な調節機構の関与が推測される。
亜鉛結合不全型CRY1-TGマウスにおける, 膵前癌病変生成機序や膵β細胞の他の内分泌細胞への分化転換の解析も並行して実施した。δ細胞とβ細胞の間で分化転換が生じる新たな結果が得られており, この成果は第82回米国糖尿病学会に演題が既に採択され, 2022年6月に岡野が筆頭演者として公表予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 膵β細胞内の亜鉛動態の変化がもたらすシグナル伝達と時計タンパク質への影響 - 成熟β細胞としてのidentityの喪失と生物時計 -2021

    • 著者名/発表者名
      岡野聡
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 5 ページ: 99-102

  • [雑誌論文] 膵β細胞株MIN6の脱分化様変化と分子時計 - 膵癌と膵β細胞脱分化との関わり -2021

    • 著者名/発表者名
      岡野聡
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 47 ページ: 390-392

  • [雑誌論文] 変異型の時計タンパク質CRY1発現マウスの膵ラ氏島内部に生じる膵管がん前駆病変細胞の生成とマイクロRNA2021

    • 著者名/発表者名
      岡野聡
    • 雑誌名

      アグリバイオ

      巻: 5 ページ: 1199-1203

  • [学会発表] Characteristic distribution of GRP78 in islets and intra-islet ductal cells of diabetic C414A-CRY1 transgenic mice2021

    • 著者名/発表者名
      岡野聡, 安井明, 菅野新一郎, 佐藤賢一, 五十嵐雅彦, 中島修
    • 学会等名
      第81回米国糖尿病学会 (81th ADA)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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