研究課題/領域番号 |
19K07507
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
印東 厚 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 助教 (70779058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ヒトiPS細胞 / 中胚葉分化 / 二分脊椎症 / 環境汚染因子 / 発生 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
自己由来のオリゴマー、環境中の汚染物質、蓄積した代謝物などは様々な疾患の発症要因となる。このような疾患の発症機序において、オルガネラの損傷を誘導する分子機序の解明に用いる試験管内の疾患モデルの樹立が求められていた。特に神経変性疾患や脊椎奇形を誘発する環境汚染物質について、その発症機序を解明することは喫緊の課題の一つである。 本年度では昨年度に行った病原性因子による疾患モデルの確立(二宮ら、 Chemosphere. 2020; 250:126124)の成果を発展させ、ヒトiPS細胞由来の内胚葉、中胚葉由来のオルガノイド作製を進めた。特に本年度では、これまで樹立されていないヒト胃疾患モデルを確立させるため、ヒトiPS細胞由来胃オルガノイドの作製に注力した。胚体内胚葉から上皮細胞組織への分化誘導条件の至適化、および疾患モデル確立のための化合物等の処理条件の検討を行い、疾患モデルの樹立、およびその発症機序の解明につながる進展を得た。今後、病原性因子由来のタンパク質の強制発現系を樹立することで、更なる発展が期待できる。 また、マウスES細胞を用いた解析では、ターゲット遺伝子のノックダウン解析を行い、当該遺伝子がES細胞の幹細胞性や腫瘍形成に重要であることを示唆する知見を得た。また、ターゲット遺伝子の複数のファミリーはヒトiPS細胞においても活性化していることが示唆された。ヒトiPS細胞においても共通して重要な因子であることを示し、腫瘍化との関連性についても解析を進展させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた解析を実施し、かつ発展させている状況から、進捗状況はおおむね順調に進展していると判断する。一方で、当初予定していた国際学会等での発表機会が世界的な新型コロナの蔓延により実行できず、これらに関する当初計画からの遅れを認める。 そのため、補助事業期間の延長を行い、研究計画の達成を目指す。
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今後の研究の推進方策 |
本研究で達成した3次元構造を有した疑似組織(オルガノイド)は疾患研究を発展させるうえで強力な研究ツールとなり得る。今後もオルガノイド作製方法の至適化、病原性因子による試験管内疾患モデルの樹立に注力し、発症機序の詳細な分子機構の解析に展開していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの世界的な蔓延により、学会参加費や旅費の執行が行われなかった。これを今年度に執行する。また、追加実験を実行し、更なる研究成果の発表を行う。
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