研究課題/領域番号 |
19K07518
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
喜多 絵美里 千葉県がんセンター(研究所), 消化器内科, 医長 (20773980)
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研究分担者 |
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 部長 (30359632)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腺房細胞癌 |
研究実績の概要 |
ヒト膵腺房細胞癌細胞株のオルガノイドを安定して再培養、凍結が行えるようになっており、増幅した細胞から、多角的な解析を進めている。遺伝子レベルでは特徴的な変異や染色体の異数性、タンパクレベルでは、特異的タンパク質の発現解析を継続し、臨床への応用可能性を検討している。分化の研究として、導管細胞マーカーの強制発現系を構築し、分化転換の可能性について検討をすすめている。 ヒト腺房細胞癌由来オルガノイドではトリプシン、アミラーゼ、リパーゼといった外分泌機能を評価するため、免疫組織化学染色を行い分泌能を確認している他、培養環境中の分泌酵素の測定なども含めて解析を行っており、外分泌能を有することを確認している。 オルガノイドを増幅させることで、種々の薬剤スクリーニングを継続しており、従来の治療薬とは異なる新たな薬剤の治療効果を確認している。 既存の評価系から、セルイメージングシステムを用いた薬効評価系に移行可能かを腺房細胞癌由来オルガノイドの他、他のヒト膵腫瘍由来オルガノイドでも評価を行い、既存の薬効評価系と同様の解析結果が得られることを確認している。皮下腫瘍を用いたin vivoでの評価も加え引き続き検討をすすめていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの進捗状況としては新型コロナウイルスの蔓延により就労制限、物品の滞りなどもあり遅滞を余儀なくされていた。不安定な状況は続いているが、引き続き検討を継続していく予定である
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今後の研究の推進方策 |
腺房細胞癌由来オルガノイドの基本的な性質について包括的なゲノム解析や発現解析等の更なる解析を検討するとともに、生きた細胞である点を生かし、薬剤試 験や遺伝子導入による分化転換について研究を進めていく。研究の過程で得られた技術について、他の細胞株を含めた大規模解析に転用可能か検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験に用いる試薬、器具は複数個単位での購入になり1単位ごとの購入ではないため、端数が生じてしまうが、次年度必要物品の必要経費として繰越し使用する予定である。
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