研究課題/領域番号 |
19K07520
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
野呂瀬 一美 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任准教授 (30156244)
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研究分担者 |
彦坂 健児 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (30456933)
新庄 記子 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任研究員(常勤) (60794039)
関根 章博 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任教授 (30425631)
猪狩 英俊 千葉大学, 医学部附属病院, 教授 (50312947)
照屋 勝治 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 病棟医長 (50505386)
吉田 朝秀 琉球大学, 病院, 准教授 (20363682)
前田 卓哉 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (20383763)
中村 ふくみ 地方独立行政法人東京都立病院機構東京都立墨東病院(臨床研究支援室臨床研究部), 感染症科, 部長 (90295204)
坂本 寛和 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (40724349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | トキソプラズマ症 / ゲノム解析 / インターフェロンガンマノックアウトマウス / 日和見感染症 / 分子疫学 / 薬剤耐性 |
研究実績の概要 |
トキソプラズマ症は細胞内寄生原虫であるトキソプラズマの感染により引き起こされ、全世界の約三分の一がこの原虫に感染している。先天性感染と後天性感染があり、適切な治療をしないと生命にかかわる症状となるが、その診断は日和見感染症であるが故に困難であることが多く、トキソプラズマ抗体が陽性の場合、現在の病像が真にトキソプラズマ症によるものかあるいは単にトキソプラズマが潜在的に感染しているだけなのか難しい判断を迫られる。トキソプラズマ症は人獣共通寄生虫症であり、世界的に新株や強毒株、薬剤耐性株の存在が判明している。しかし、島国である本邦におけるヒトに感染するトキソプラズマに関する分子疫学情報(遺伝子型・全ゲノム配列・病原性・薬剤耐性の原因変異等)は未解明のままである。この研究の目的は、本邦におけるトキソプラズマ症の分子疫学情報を整備し、さらに病歴情報と照合することで病原性に関与する株間の遺伝子変異を特定することにある。今年度は過去3年間に引き続き、1.トキソプラズマ患者から分離した株をインターフェロンガンマノックアウトマウス由来胎児繊維芽細胞やベロ細胞に接種し、株の樹立をはかった。2、全国からトキソプラズマ症の診断目的で送付されてきた臨床検体(羊水、髄液、末梢血、脳組織、臍帯、等)から、DNAを抽出しPCR法でトキソプラズマ遺伝子が陽性と判断された検体をインターフェロンガンマノックアウトマウスの腹腔内や経口的に感染させ、株の樹立をはかった。3.過去にPCR法でトキソプラズマ陽性と判断された臨床検体を順次、各種のプライマーを使用して遺伝子型の分析を行った。さらにそれらの遺伝子型と病歴・臨床経過を比較・照合し、病原性に関与する遺伝子情報の研究基盤を構築しつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度以来、次世代シーケンサーの故障が続いており、かつ、新型コロナ感染症の影響で次世代シーケンサーの故障を直すことができる人材が多忙を極め、故障を直す時間が取れなかったため、遺伝子のシーケンス解析が進まなかった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、全国からのトキソプラズマ症疑いの臨床検体を受け入れ、PCR診断をし、陽性に出た検体のDNAよりより詳細な株の分子分析を行っていく。 新型コロナ感染症が落ち着きつつあるので次世代シークエンサーの故障を直すべく努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症のため、実験に必要な次世代シーケンサーの故障を直す人材が多忙を極めたため、実験自体が遅れたため。
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